いろいろ作るよ!

ものづくりの記録

リップスティックを作ってみた

息子からリクエストがあったので、親子で「リップスティック」を自作しました。製作過程を記事にまとめました。

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リップスティックとは?

子どもたちがクネクネと乗りこなしているスケボーみたいなやつです。スケボーと違って、クネクネと動かすことで前に進むことができます。

f:id:neet2121:20211231163936p:plain (画像引用元:RIPSTICK日本公式サイト)

中央部の軸で"ねじり方向"に可動でき、内部に仕込まれた板バネ(トーションバー)によって適度に動きが制限されています。

f:id:neet2121:20211231165805p:plain f:id:neet2121:20211231171911p:plain (画像引用元:Youtube 「リップスティックネオ 分解」)

製作のコンセプト

  • 3Dプリンタやレーザーカットを駆使して手軽に作る
  • ねじり機構は、軸や軸受を使わないオリジナルの構造で実現する
  • 息子(小1)にできるだけ作業を投げてみる

ねじり機構の構想

軸や軸受を使わない"ねじり"で、この機構を思い出しました。軸方向の往復運動を、構造の変形によってねじり方向の回転運動に変換する機構です。これはドリルによる穴あけのための機構です。

f:id:neet2121:20211231182045p:plain (画像引用元:芝浦工業大学プレスリリース)

これを模倣し、曲げ方向に剛性が強く、捩じり方向に剛性が弱い構造を、3Dプリントやレーザーカットで再構築することにしました。

最初はMDF材を使用することを想定し、レーザー加工で試作してみました。

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この構造で、曲げに強く、ねじり易いトーションバーが作れそうな感じです。 MDF材では繰返し荷重でいずれ破断する気がしたので、ポリカーボネートを採用することにしました。ポリカーボネートは耐衝撃性が高く、復元力も大きいため、トーションバーに使用するのにちょうど良さそうです。

全体のデザイン

Fusion360で3Dモデルを作りました。MDF板、ポリカーボネート板、3Dプリント部品を組み合わせて製作します。

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3Dプリントでテーパーピンを出力し、クサビの作用でトーションバーを固定します。

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トーションバーの中央部のオレンジ色の部品にも重要な役割があります。曲げ荷重に対し、トーションバーの曲がりを拘束し、座屈を防止します。

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レーザー加工

僕らのガレージの40WクラスのCO2レーザー加工機を利用しました。

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MDF材のベース部分は、カット後に木工用ボンドで接着しました。

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ポリカーボネートのレーザー加工はコツが必要でした。MDFに比べて加工時の反りが大きく、レーザーの焦点がズレることで上手くカットできない部分が出来ました。四隅を固定してみましたがこの有様です。

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僕らのガレージには、作業を手伝ってもらうために息子も連れて連れて行ったのですが、転がっていた端材で勝手に何か作ってました。

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3Dプリント

自宅のAdventurer3でPLAフィラメント(PolyMaker社/PolyLite PLA)を使用しました。トーションバーのベース部分は260gと重たくなったので、片側は構造を変更し、170gに軽量化しました。

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キャスターを斜めに取り付けるための部品も3Dプリンタで出力しました。

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塗装

レーザーカット後のMDF部品は水性塗料のNUROで塗装しました。色のチョイスは息子に任せました。

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組立

トーションバーを組み立てると、狙い通りの動きになりました。

その他の組立は子どもたちにお願いしました。M3のボルト・ナットの固定に苦戦していました。

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組立後の写真です。

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結果とまとめ

乗って走ることができました。

自慢気な顔でポーズを取ってくれました。本人も喜んでくれたみたいです。 f:id:neet2121:20211231200239p:plain